コラム

ハリネズミのかかりやすい病気「口腔疾患(歯周病・腫瘍性疾患)」

2022/07/11/

ハリネズミの口腔疾患(歯周病・腫瘍性疾患)の病態

ハリネズミさんでは、ふやかした食事が多い場合、歯石の付着が多くなり歯肉炎となることがあります。一方で、硬い食事が多い場合は歯の欠損などが生じることがあります。

歯の欠損の場合は若齢の子が多い一方で歯肉炎は中高齢で多くなります。

また、中高齢の子たちでは口腔内腫瘍の発生率も高く、その中でも扁平上皮癌の発生が多いです。

ハリネズミの口腔疾患(歯周病・腫瘍性疾患)の症状

症状としましては、肉眼での顔の腫れ、嗜好性の変化、食欲低下、口臭、食べこぼし、出血、よだれの増加、口を前足で掻くなどの症状が見られます。

ハリネズミの口腔疾患(歯周病・腫瘍性疾患)の診断

診断としては口腔内の視診をやレントゲン検査での骨の融解(骨が溶ける)や転移(腫瘍の場合)の確認を行います。

また、それでは確実な診断ができないため、口の腫れている箇所の生検(病理学的検査)を行う場合もあります。

その際には、鎮静や麻酔が必要になります。

ハリネズミの口腔疾患(歯周病・腫瘍性疾患)の治療

歯周病、歯肉炎の場合は軽度であれば抗生剤や消炎鎮痛剤の使用や食事変更などを行い、それでも改善がなされない場合は問題となる歯の抜歯・スケーリング(歯石除去)などにより治療します。

口腔内腫瘍の場合、外科的な切除を行ます。しかし、腫瘍が骨へ影響を与えている(骨への浸潤)ケースが多く、その場合切除しきれない場合があります。

また、麻酔をかけられない状態である場合や手術適応外である場合は、対処療法や補助給餌などを行っていきます。

 

吉祥寺エキゾチック動物病院では、うさぎ、ハリネズミ、フェレット、ハムスター、その他げっ歯類、鳥類、爬虫類、両生類などエキゾチックアニマルを広く診療しております。

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