症例紹介

【症例報告】リチャードソンジリスの皮膚腫瘤の切除

2022/10/25/

今回は、リチャードソンジリスの皮膚のできものについての症例報告です。    

個体情報

  • 年齢 約3歳
  • 性別 メス
  • 元気 あり
  • 食欲 あり
  • 排泄 正常
患者様のリチャードソンジリス

患者様のリチャードソンジリス

主訴

一週間前に気がついた頸部のしこりが少し大きくなり、出血も見られらたことから当院にご来院されました。

特にしこりを気にしている様子はなくそのほかの異常もありませんでした。  

麻酔下にて術前の患部の様子

麻酔下にて術前の患部の様子

 

検査

  • 触診
  •  頸部に約0.5cm大の出来物として触知
  •  赤みがあり出血していた跡が認められました。

治療

無麻酔にて細胞診検査(針を刺して細胞をとり、できものがどんなものなのかを顕微鏡で判定する検査)を行うことや、切除による病理検査(手術により切除したできものを薄くスライスし、どのような病気なのかを判断する検査)を行うことなどをオーナー様とご相談し、出血が見られたことや悪性腫瘍であったときの緊急性を考え、切除手術を行い治療していくことになりました。

今回のできものは病理検査にて化膿性炎症という結果でした。

これはバイ菌の感染による炎症性のしこりで、特に腫瘍などではなかったため転移などの心配もなく、抗生剤・消炎鎮痛剤・止血剤を飲んでもらい、一週間で傷はしっかりとくっつき術後としては良好でした。

今回の手術は日帰りでお家でしっかりとご飯も食べてくれるほど術後の体調も良好。

術後の患部は、抜糸の負担を考慮して、抜糸の必要のない埋没縫合を行ったため特に術後に抜糸のために押さえての処置などが特に必要ありませんでした。

術後1週間後の患部の様子

術後1週間後の患部の様子

 

獣医師からのコメント

リチャードソンジリスさんは皮膚のできものの中で悪性腫瘍(扁平上皮癌やアポクリン腺癌など)が比較的多く報告されている子たちです。

そのため、できものに気がつかれた際にはできるだけ早く病院へご受診いただくことをお勧めいたします。

 

吉祥寺エキゾチック動物病院では、うさぎ、ハリネズミ、フェレット、ハムスター、デグー、その他げっ歯類、鳥類、爬虫類、両生類などエキゾチックアニマルを広く診療しております。

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