【症例報告】ジャンガリアンハムスターの扁平上皮癌
2023/02/03/
個体情報
- 年齢 2歳3ヶ月
- 性別 オス
- 元気 あり
- 食欲 あり
- 排泄 正常
主訴
右耳の耳道入口付近にしこりがることで他院さんをご受診され、一部切除による病理検査にて扁平上皮癌と診断されました。 腫瘍であることから、手術をご希望され当院に来院されました。
検査
すでに病理検査による診断がされているため、当院では腫瘍の状態及び麻酔をかけられる状態であるかの確認を行いました。
治療:外科手術
治療としましては手術により腫瘍部を切除しました。 その際、腫瘍組織ができる限り残らないようにしこりだけでなく周囲の組織も切除しました。 その後、高齢ではありましたが麻酔の覚醒も良好であることからハムスターさんのストレスを考え入院は行わず、抗生剤・止血剤・消炎鎮痛剤を処方し、飲んでいただきました。
経過
手術直後から食欲もあり、薬もしっかりと飲んでくれましたので、術後約一ヶ月後には完全に傷もなくなりました。 また、再発も今の所確認されておりません。
獣医師からのコメント
ジャンガリアンハムスターさんたちに発生してしまう皮膚の腫瘍の治療は、腫瘍の種類にもよりますが、多くは抗がん剤や放射線での治療が難しく、手術による切除が第一選択とされております。 手術による治療は麻酔のリスクなどが問題となりますが、腫瘍をそのままにしてしまうと
- 転移してしまう
- 自分で引っ掻いて出血してしまう
- 腫瘍が大きくなり裂けてしまう
などが生じてしまうことがあります。 そのため、しこりなどが確認された場合にはお近くの病院へご受診をお勧めいたします。
吉祥寺エキゾチック動物病院では、うさぎ、ハリネズミ、フェレット、ハムスター、デグー、その他げっ歯類、鳥類、爬虫類、両生類などエキゾチックアニマルを広く診療しております。
ホームドクターとしても、セカンドオピニオン先としてもご来院可能です。