【症例報告】フクロモモンガの去勢手術
2023/02/13/
個体情報
- 種類 フクロモモンガ
- 性別 オス
- 年齢 不明(保護のため)
- 元気 あり
- 食欲 あり
- 排泄 正常
主訴
健康状態は良好ですが、メスの子と同居されていることから去勢を検討され、当院に来院されました。
検査
触診及び視診:顕著な異常は認められませんでした。
治療
事前に触診にて精巣を確認し、精巣の切除のために麻酔をかけ手術を行いました。
その後、その日のうちに退院し、一週間抗生剤や消炎鎮痛剤などを飲んでもらい、傷を確認し、治療終了となりました。
手術内容:去勢手術
麻酔下にて陰嚢を少し牽引し(引っ張り)、皮膚を切り、精管や血管を細い糸で縛った後、精巣を陰嚢ごと切除し、皮膚を抜糸の必要のない溶ける糸を使用し縫合しました。
麻酔から覚醒後、傷を気にしてしまうため、カラー(首の周りに巻くことで、舐められないようにする器具)を設置し終了しました。
経過
カラーをつけていても手術の日からしっかりと食べてくれ、一週間後の傷の確認の際にはしっかりとくっつき、術後はとても良好でした。
獣医師からのコメント
フクロモモンガさんは陰嚢と体幹部の間(血管や精管がある場所)が細く長いため、去勢手術は他の動物さん達の手術手技と異なり、精巣切除の際に二つまとめて(陰嚢ごと)取る手術が一般的です。
そのため、今回の子もこの手術方式にて行いました。
今回の子に設置させていただいたカラーは、設置により食欲の低下が生じてしまうことがあるため、傷を気にしない子であれば設置しない方が良いのが、今回の子は繊細な子であったことから設置が必要となりました。
フクロモモンガさん達も人と同様にその子により性格が異なり、そこも魅力的なポイントですが、その子の性格をしっかりと見極め、それに合わせた対応が重要となります。
吉祥寺エキゾチック動物病院では、うさぎ、ハリネズミ、フェレット、ハムスター、デグー、その他げっ歯類、鳥類、爬虫類、両生類などエキゾチックアニマルを広く診療しております。
ホームドクターとしても、セカンドオピニオン先としてもご来院可能です。