症例紹介

【症例報告】デグーの去勢手術

2023/01/30/

今回は、デグーの去勢手術についての症例報告です。  

個体情報

  • 種類 デグー
  • 年齢 1歳
  • 性別 オス
  • 元気 あり
  • 食欲 あり
  • 排泄 正常

主訴

健康状態は良好ですが、気が強く、お家の他のデグーさんたちとの相性が合わないことで、去勢を検討され当院に来院されました。

検査

  •  触診及び視診
  •   顕著な異常は認められませんでした

治療

環境の改善などはすでにしていただいており、それでも喧嘩などをしてしまうため、リスクのご説明をした上で、去勢手術を行うこととなりました。

事前に触診にて精巣の位置が皮膚の上から触れる場所にあることを確認後、精巣の切除のために麻酔をかけ、手術直前に触診および超音波検査にて精巣の位置を再度確認し、手術を行いました。

その後、二週間抗生剤や消炎鎮痛剤などを飲んでもらい、傷を確認し、治療終了となりました。  

手術内容:去勢手術

麻酔下にて精巣付近の皮膚(陰茎と後ろ足の付け根の間の皮膚)を切り、鼠径管から精巣を引き出し、切除しました。

デグーさんの精巣は引っ張りにくいため、左右の皮膚をそれぞれ切り、精巣を取り出しました。

また、鼠径管からの脂肪の脱出などを防ぐため、精巣の切除後鼠径管の穴を縫合し塞ぎました。

最後に、皮膚から糸が出てしまっていると自分で気にしてしまうことがあるため、皮膚の縫合は埋没縫合という皮膚の内側を縫い付ける方法を用いました。

去勢手術前の様子 去勢手術後の様子  

経過

埋没縫合によりカラー(首の周りに設置することで体を舐められなくする器具)をつける必要がなかったことから、手術後からしっかりと食べてくれ、二週間後の傷の確認の際にはしっかりとくっつき、術後はとても良好でした。  

獣医師からのコメント

デグーさんの男の子は鼠径管というお腹の中と皮膚の下をつなぐ管のサイズが大きく、通常は鼠径管の中に精巣が位置しておりますが、精巣を皮膚からでは取り出せずお腹の中から取り出す必要がある場合がございます。

一般的にデグーさんたちの麻酔は犬猫さんと比べるとリスクの高いものであり、手術の内容が重くなるほどそのリスクは上がってしまいます。

そのため、お腹を切って精巣を取るとなると、皮膚の下から取るよりも格段にリスクの高くなる手術となってしまいます。

今回の子は皮膚の下から精巣を取り出せたため、負担の少ない手術を行えましたが、その子によってはお腹を切らなければならない場合もあるため、去勢手術をご検討の方はリスクなどを踏まえた上でご検討していただくことをお勧めいたします。

 

吉祥寺エキゾチック動物病院では、うさぎ、ハリネズミ、フェレット、ハムスター、デグー、その他げっ歯類、鳥類、爬虫類、両生類などエキゾチックアニマルを広く診療しております。

ホームドクターとしても、セカンドオピニオン先としてもご来院可能です。

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