【症例報告】ジャンガリアンハムスターのマイボーム腺腫
2022/11/21/
今回は、ジャンガリアンハムスターのマイボーム腺腫についての症例報告です。
個体情報
- 年齢 2歳6ヶ月
- 性別 メス
- 元気 あり
- 食欲 あり
- 排泄 正常
主訴
左眼のまぶたが一ヶ月ほど前から赤くなりはじめ、二週間ほど前から徐々に腫れてきてしまいました。
他院さんにて処方された抗生剤にて治療をしていましたが改善が認められず、徐々に悪化し目が開かないくらいまで腫れてしまい、当院に来院されました。
検査
- 視診
- 左眼の下まぶたの腫れを確認しました。
- また同時に、まぶたの内側を確認し分泌腺が溜まってしまっていることも確認しました。
治療
治療としましては目薬をさす要領で点眼麻酔を行い、分泌腺の開口部を細い針にて広げ、中に溜まってしまっているものを排出しました。
また、菌の感染や炎症が重度であったため抗生剤及び消炎剤の点眼をしてもらいました。
治療から約一週間後、眼の状態もかなり回復してくれましたが、まだ目脂や涙が少し残っているため点眼の治療を継続してもらいました。
獣医師からのコメント
マイボーム腺腫は炎症や感染などにより分泌腺から本来分泌されるはずの液体が排出されずに溜まってしまい、まぶたが腫れてしまう病気です。
ジャンガリアンハムスターさんにはよく生じる疾患の一つで、腫れが重度になる事は多くはありませんが、点眼や飲み薬による治療では完治しないことがあり、今回のような処置が必要となることがあります。
この処置は点眼麻酔にて行うため全身麻酔が必要なく、また点眼麻酔下にて行うため痛みもほとんど感じずにできますのでハムスターさんの負担もかなり少なく行うことができます。
重度になってからですと状態の回復に時間がかかってしまいますので、まぶたの赤みや腫れにお気づきになられましたらお早めに動物病院へのご受診をお勧めいたします。
吉祥寺エキゾチック動物病院では、うさぎ、ハリネズミ、フェレット、ハムスター、デグー、その他げっ歯類、鳥類、爬虫類、両生類などエキゾチックアニマルを広く診療しております。
ホームドクターとしても、セカンドオピニオン先としてもご来院可能です。